意図的再植術とは
こんにちは、人形町の歯科のトワデンタルクリニックです。
今回は意図的再植術についてお話します。
意図的再植術(いとてきさいしょくじゅつ)とは、治療における一つの手法で、虫歯や外傷などにより歯の保存が難しくなった場合に、その歯を一旦抜いて治療を施し、再び元の場所に戻す治療法です。この方法は、通常の歯の保存方法では解決できない問題がある場合に適用されます。
意図的再植術の適応症
意図的再植は以下のようなケースで適応されることがあります。
- 根尖病変:根管治療では治癒が難しい根尖(歯根の先端)の感染や炎症がある場合。
- 歯根破折:歯の根が折れている場合。特に歯根の中部や下部で折れている場合に、抜歯して修復することで保存が可能です。
- 根管治療の失敗:過去の根管治療がうまくいかず、再治療が必要な場合。
- 外傷による損傷:外傷により歯が損傷したが、保存可能な場合。
手技
1.浸潤麻酔
2.歯の脱臼
3.損傷がある場所の修復
4.再植
5.縫合
一週間ほどで抜糸を行い、約3ヶ月ほどかみ合わないように調整しながら様子を見ます。
歯のレントゲンを撮り、病気が再発してないことを確認してからかぶせものを作ってかみ合わせを作っていきます。
治療のリスク
抜歯した際に歯が割れることがあります(割れないよう最大限の注意を払って行います)
抜歯する際に歯と骨をつなぐための繊維(歯根膜)を損傷することがあり、骨性癒着(アンキローシス)を起こすことがあります。
成功率は報告により異なりますが、適切なケース選択と技術により60-90%の成功率が報告されています。歯科医師の経験や技術、患者の口腔内の健康状態が成功率に大きく影響します。
まとめ
意図的再植術は歯の保存がこれ以上は難しいとされるケースに行うことが通常で、積極的に選択するものではありません。メリットもデメリットがありますのでよく歯科医師と相談しながら行いましょう。
しかし、もうこれ以上残すのが難しいと思っていた歯を残せる最後のチャンスかもしれませんので歯を抜くことを考えている方は一度考慮に入れるのもよいと思います。
トワデンタルクリニック人形町では、そういったかたのご相談もお受けいたします。
お気軽にご相談ください。