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入れ歯の金具が黒く変色しました、どうしてですか?

入れ歯の金具部分が黒く変色してしまうという問題は、多くの入れ歯使用者が直面することのある悩みの一つです。特に部分入れ歯には、歯を支えるための金属のばね(クラスプ)がついており、この金属部分が黒ずむことがあります。これは見た目だけでなく、金属の腐食が進んでしまうことを意味する場合もあるため、無視できない問題です。この記事では、なぜこのような黒ずみが発生するのか、その原因と対策について詳しく説明します。

1. 誤った入れ歯洗浄剤の使用が原因かもしれません

入れ歯を清潔に保つために、洗浄剤を使用することが一般的です。しかし、使う洗浄剤の種類によっては金具部分が黒ずんでしまうことがあります。市販されている入れ歯洗浄剤には大きく分けて『部分入れ歯用』『総入れ歯用』の2種類があります。この違いに気づかず、誤った洗浄剤を使用することが金属部分の変色の原因となる場合があります。

部分入れ歯には金属が使用されているため、総入れ歯用の洗浄剤が金属と化学反応を起こして腐食し、結果として黒ずみが発生します。特に、洗浄剤に含まれる酸や強力な洗浄成分が金属にダメージを与えることがあります。

2. 金属の種類による影響

入れ歯に使用される金属は、さまざまな種類があり、素材によって黒ずみやすさが異なります。部分入れ歯に使われる代表的な金属には、コバルトクロム合金、チタン、ステンレススチール、ニッケルクロム合金などがあります。

  • コバルトクロム合金は錆びにくく耐久性が高いため、黒ずみにくい素材ですが、適切なケアを怠ると変色することがあります。
  • チタンは非常に錆びにくく、金属アレルギーのリスクが低いですが、高価なため一部の入れ歯でのみ使用されます。

これらの金属はそれぞれ特性が異なるため、自分の入れ歯に使用されている金属に適したケアが必要です。金属の種類を知ることで、どのような洗浄剤やケア方法が適しているのかを判断しやすくなります。歯科医に入れ歯の素材を確認してもらうことは、黒ずみの予防に役立ちます。

3. 口の中の環境が原因で黒ずむこともあります

口腔内の環境も、金属の変色に影響を与えます。特に食生活が関係していることがあります。食事や飲み物の選択、摂取頻度、そして口内のpH(酸性・アルカリ性のバランス)が金属に影響を及ぼすことがあるのです。

例えば、頻繁に甘い飲み物を飲んだり、ダラダラと長時間にわたって食べ続ける習慣があると、口の中が酸性に傾きやすくなります。口の中が酸性状態になると、金属が酸によって腐食されるリスクが高まります。これにより、金具が黒く変色してしまうことがあるのです。

対策としては、規則正しい食事習慣を心がけ、ダラダラ食べることを避けることが大切です。また、酸性の飲み物(炭酸飲料やジュースなど)の摂取を控え、飲んだ後は水で口をすすぐことで、口内の酸性環境を早めに中和できます。

4. 対策方法:正しいケアと習慣を心がけましょう

金具の黒ずみを防ぐためには、以下の対策を取ることが効果的です。

  • 部分入れ歯専用の洗浄剤を使用する
    金具がついている入れ歯には、必ず『部分入れ歯用』の洗浄剤を使用しましょう。総入れ歯用の洗浄剤では金属を傷つけることがあるため、注意が必要です。
  • 定期的な歯科医でのメンテナンス
    入れ歯や口内環境の状態をチェックするため、定期的に歯科医でメンテナンスを受けることも大切です。早期に異常を発見し、適切なケアを行うことで、金属の黒ずみを防ぐことができます。
  • 食生活の改善
    ダラダラ食べや甘い飲み物の摂取を控え、食事の時間を規則正しく守りましょう。食後には水で口をゆすぐ習慣をつけ、口の中を酸性状態にしないようにすることが重要です。
  • 酸性食品や飲み物の影響を減らす
    酸性の食品や飲み物(柑橘類、炭酸飲料、アルコール飲料など)は金属にダメージを与える可能性があります。これらを頻繁に摂取する場合は、口をしっかりとゆすいで中和するか、歯科医に相談して適切なケア方法を確認しましょう。

まとめ

入れ歯の金具が黒く変色する原因には、誤った洗浄剤の使用や、口腔内の環境の酸性化、金属の種類などが関与しています。黒ずみを防ぐためには、正しい洗浄剤の選択や、規則正しい食生活、口内環境の管理が重要です。定期的に歯科医でメンテナンスを受けることで、入れ歯の状態を良好に保つことができるでしょう。

人形町の歯医者さんのトワデンタルクリニック人形町

 
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