妊娠中ですが歯科治療は受けられますか?
妊娠中の歯科治療は慎重に行う必要がありますが、基本的には妊娠中でも必要な歯科治療を受けることは問題ありません。ただし、いくつかの注意点や適切なタイミングが存在します。
妊娠中の歯科治療の基本的な注意点
- 妊娠初期(1~3ヶ月)
- 妊娠初期は胎児の器官形成が進んでいる時期で、特に薬剤の使用やレントゲン撮影に対して慎重になる必要があります。この時期は避けるべきとされ、非緊急の歯科治療は控えたほうが良いとされています。
- 妊娠初期でも痛みや炎症がある場合は、痛みを軽減するために、局所麻酔や必要な薬を使用することができますが、医師とよく相談することが重要です。
- 妊娠中期(4~6ヶ月)
- 妊娠中期は胎児の器官がすでに発達している時期で、比較的安全に歯科治療が行えるタイミングとされています。妊娠中期にあたる4~6ヶ月の間に、虫歯や歯周病の治療を行うことが推奨されます。
- 妊娠中期には、歯周病や歯茎の炎症を放置すると、早産や低体重児のリスクを高める可能性があるため、早期の治療が大切です。
- 妊娠後期(7ヶ月~出産)
- 妊娠後期は、体が重くなり、腹部が大きくなるため、長時間の治療や体を仰向けにしての治療は不快になることがあります。また、妊婦さんの体調や出産が近づいているため、緊急性がない限り治療は控えめにされることが多いです。
妊娠中の歯科治療で使用される薬剤と麻酔
- 麻酔薬
- 妊娠中に歯科治療を受ける場合、局所麻酔が使用されることがあります。局所麻酔薬は胎児に影響を与えにくいとされていますが、妊婦の健康状態を考慮して、適切な量を使用します。
- 全身麻酔は基本的に妊娠中には避けるべきです。
- 抗生物質
- 妊娠中に感染症が起きた場合、抗生物質が処方されることがあります。妊婦さんにとって安全とされる抗生物質が使われますが、必ず医師に相談して処方してもらうことが重要です。
- 痛み止め
- 妊娠中は痛み止めとして、アスピリンやイブプロフェンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は避けた方が良いとされています。代わりに、妊娠中でも比較的安全とされるアセトアミノフェン(例:カロナール)を使用することが多いです。
レントゲンと放射線の影響
妊娠中でもレントゲン検査が必要な場合があります。例えば、虫歯が深く進行している場合や歯周病の評価にレントゲンが必要です。ただし、妊娠中は放射線が胎児に与える影響を最小限にするため、以下の配慮が行われます。
- 腹部を鉛エプロンで保護する:レントゲン撮影時には鉛エプロンで腹部をしっかりと保護し、胎児への放射線の影響を防ぎます。
- 撮影範囲を最小限にする:必要な範囲だけに絞って撮影が行われ、放射線の量を最小限に抑えます。
妊娠中の歯科治療で避けるべきこと
- 不要な治療や処置
- 美容目的のホワイトニングや、歯の矯正治療など、緊急性がない治療は妊娠中は避けた方が良いでしょう。
- 麻酔薬や薬剤の過剰使用
- 妊娠中に使用される麻酔薬や薬剤は、必ず医師の指示に従い、必要最低限に抑えます。
- ストレスのかかる治療や長時間の治療
- 妊娠中は体調の変化が大きいため、長時間にわたる治療は避けるべきです。また、治療中に不安やストレスがかからないようにリラックスできる環境を整えることも大切です。
まとめ
妊娠中に歯科治療を受けること自体は問題ありませんが、タイミングや治療内容に注意を払い、歯科医師と十分に相談することが重要です。妊娠中の歯周病や虫歯は母体と胎児に悪影響を与える可能性があるため、早期に適切な治療を受けることが推奨されます。必要な治療を受ける際には、医師や歯科医師としっかり連携をとり、安心して治療を受けるようにしましょう。
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