歯の型取りしたあとはどうやって銀歯を作るんですか?
歯科鋳造とロストワックス法:歯科治療を支える技術とは?
歯科治療の現場では、補綴物(クラウンやインレー、ブリッジなど)の作製に高度な技術が欠かせません。その中でも、歯科鋳造とロストワックス法は、正確で高品質な補綴物を作るために欠かせない伝統的な技法として広く利用されています。今回は、この2つの技術について詳しく解説します。
歯科鋳造とは?
歯科鋳造とは、患者さんの口腔内にぴったり合う補綴物や義歯の金属フレームを製造する技術です。特に強度が必要な臼歯部や、ブリッジの支台部分などに用いられることが多く、使用される金属には以下のようなものがあります。
- ゴールド合金
- 銀合金
- チタン
- コバルトクロム合金
これらの金属を使用して鋳造することで、耐久性があり、機能性にも優れた補綴物を作成できます。
ロストワックス法とは?
ロストワックス法(Lost Wax Technique)は、歯科鋳造における代表的な製造プロセスです。ワックスを原型として使用し、最終的に金属へと置き換える工程を経て補綴物を作ります。以下は、ロストワックス法の基本的な手順です。
1. ワックスアップ(Wax-up)
ワックスを使い、補綴物の形状を手作業またはデジタル技術で作成します。このワックス原型が、補綴物の最終的な形状を決定します。
2. 埋没(Investment)
完成したワックス原型を、耐熱性の石膏(埋没材)に埋め込みます。埋没材が固まると、ワックス原型の形が内部に転写されます。
3. ワックスの焼却(Burnout)
炉で埋没材を加熱し、ワックス原型を完全に蒸発・焼却します。この過程で、埋没材内部に補綴物の形状を再現した空洞(鋳型)ができます。
4. 金属の鋳込み(Casting)
溶融した金属を鋳型内に流し込みます。金属は冷却することで固まり、ワックス原型と同じ形状を持つ金属補綴物が形成されます。
5. 埋没材の除去と仕上げ
固まった金属を取り出し、表面を研磨して仕上げます。この段階で、補綴物が歯列にぴったり合うように調整されます。
ロストワックス法のメリット
ロストワックス法には、以下のようなメリットがあります。
- 高精度な補綴物の作製が可能
ワックス原型を使うことで、細かい形状や複雑なデザインを再現できます。 - 幅広い材料に対応
ゴールドやチタンなど、さまざまな金属を使用できるため、患者さんのニーズに合わせた補綴物が作れます。 - 耐久性の高い補綴物を提供
鋳造された補綴物は、咀嚼などの強い力にも耐えることができます。
現代の進化:デジタル技術との融合
最近では、CAD/CAM技術(コンピュータ支援設計・製造)が進化し、デジタルスキャンや3Dプリントを活用した新しい製造方法が普及しています。しかし、ロストワックス法はその精度の高さから、現在も多くの歯科医療現場で利用されています。
まとめ
歯科鋳造とロストワックス法は、歯科補綴の基盤を支える重要な技術です。患者さん一人ひとりの口腔内に適応した補綴物を作るため、これらの技法が欠かせません。伝統的な技術と現代のデジタル技術を組み合わせることで、より高品質な治療が提供できるようになっています。
歯科補綴に関するご質問やご相談があれば、ぜひ人形町の歯医者、トワデンタルクリニック人形町までお気軽にお問い合わせください!