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歯ぎしり防止用マウスピースは柔らかい方がいい?硬い方がいい?歯科医が解説

マウスピース製作

歯ぎしりや食いしばりでお悩みの患者様から、「マウスピースは柔らかいタイプと硬いタイプ、どちらを選べばいいですか?」というご質問をよくいただきます。ドラッグストアなどでも様々なタイプのマウスピースが販売されており、どれを選べばよいか迷われる方も多いでしょう。今回は、歯科医院の立場から、マウスピースの硬さの違いとそれぞれの特徴について詳しく解説いたします。

マウスピースの種類

歯ぎしり防止用のマウスピース(ナイトガード)には、主にソフトタイプハードタイプの2種類があります。ソフトタイプはシリコンなどの柔らかい素材で作られ、弾力性があって装着時の違和感が少ないのが特徴です。市販品に多く見られます。一方、ハードタイプはアクリル樹脂などの硬い素材で作られ、強い力にも変形しにくく、歯科医院で製作されるマウスピースの多くがこのタイプです。また、内側が柔らかく外側が硬いデュアルタイプもあります。

歯科医院が推奨するのは「ハードタイプ」

結論から申し上げますと、当院を含む多くの歯科医院では、歯ぎしり防止用のマウスピースとしてハードタイプを推奨しています。これには明確な理由があります。

ハードタイプを推奨する4つの理由

1. 歯ぎしりを助長しない

柔らかいマウスピースの最大の問題点は、噛みたくなる感触があることです。ソフトタイプのマウスピースを装着すると、その弾力性のある感触が無意識のうちに「噛みたい」という欲求を引き起こし、かえって歯ぎしりや食いしばりを助長してしまう可能性があります。これはガムを噛んでいるときの感覚に似ています。柔らかいものを口の中に入れると、人は無意識のうちに咀嚼運動をしてしまうのです。

一方、ハードタイプのマウスピースは硬くて噛み応えがないため、無意識に噛みたくなる感覚を引き起こしにくく、結果として歯ぎしりの頻度を減らす効果が期待できます。

2. 耐久性が高い

歯ぎしりの力は想像以上に強く、通常の咀嚼時の数倍から10倍程度の力がかかると言われています。この強い力に対して、柔らかいマウスピースは短期間で穴が開いたり、すり減ったり、破れたりしてしまいます。当院でも、市販のソフトタイプを使用されていた患者様が、わずか数週間から1ヶ月程度で破損してしまい来院されるケースを数多く経験しています。ハードタイプのマウスピースは、適切に使用すれば数年間使用できることも珍しくなく、長期的な視点で見るとコストパフォーマンスにも優れています。

3. 歯や顎関節への保護効果が高い

硬いマウスピースは、歯ぎしりや食いしばりの力を広い面積に分散させることができます。これにより、特定の歯に過剰な負担がかかることを防ぎ、歯の摩耗や破折、詰め物・被せ物の脱離を予防します。また、顎関節への負担も軽減できるため、顎関節症の予防や症状の改善にも効果的です。

4. 咬合調整が可能

ハードタイプのマウスピースは、歯科医院で精密に調整することができます。患者様一人ひとりの噛み合わせに合わせて、適切な接触関係を作り出すことで、より効果的に歯や顎を保護することができます。装着後も、必要に応じて削って調整することが可能なため、長期的に最適な状態を維持できます。

ソフトタイプが適している場合

すべてのケースでハードタイプが最適というわけではありません。初めてマウスピースを使用する方は、ハードタイプの違和感が強く感じられることがあるため、まずはソフトタイプで慣れてから移行する方法もあります。また、顎関節に強い痛みがある急性期や、重度の歯周病で歯の動揺が強い場合には、柔らかいマウスピースの方が適していることがあります。

歯科医院で作製するメリット

市販品と歯科医院で作製するマウスピースには大きな違いがあります。市販品は手軽で安価というメリットがありますが、お湯で温めて自分で成形するタイプが多く、精密なフィット感が得られません。また、ほとんどがソフトタイプで、歯ぎしりを助長する可能性があります。

一方、歯科医院で作製するマウスピースは、精密な型取りによりぴったりとフィットし、患者様の噛み合わせに合わせて調整できます。適切な厚みと硬さで高い保護効果が得られ、定期的なチェックと調整により長期的に使用できます。

歯ぎしりや食いしばりによる症状があり、歯科医師が必要と判断した場合、マウスピースの作製は保険適用となります。3割負担の方で5,000円程度の自己負担で作製できますので、市販品を何度も買い替えることを考えると、経済的にも効果的にも優れていると言えます。

効果的な使用のために

マウスピースは毎晩装着することで効果を発揮します。使用後は水で洗い、専用のブラシで汚れを落としましょう。週に1〜2回は入れ歯洗浄剤を使用してしっかりと洗浄してください。熱に弱いため、お湯での洗浄や直射日光を避け、3〜6ヶ月に一度は歯科医院でチェックを受けることをおすすめします。

まとめ

歯ぎしり防止用のマウスピースについて、歯科医院の立場からお伝えすると、基本的にはハードタイプのマウスピースをおすすめします。柔らかいマウスピースは装着感は良いものの、かえって歯ぎしりを助長してしまったり、耐久性が低かったりというデメリットがあります。長期的な視点で歯や顎を守るためには、硬いマウスピースの方が効果的です。

ただし、患者様の状態や症状によっては、柔らかいタイプやデュアルタイプが適している場合もあります。最も重要なのは、歯科医師による診断のもと、患者様一人ひとりに最適なマウスピースを選択することです。

歯ぎしりや食いしばりでお悩みの方は、まずは歯科医院でご相談ください。適切な診断と治療により、歯や顎の健康を長期的に守ることができます。当院でも、患者様の状態に合わせた最適なマウスピースをご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。


トワデンタルクリニック人形町
歯ぎしり・食いしばりでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。