歯科におけるGBT(Guided Biofilm Therapy)とは?最新の予防歯科アプローチ
歯科におけるGBT(Guided Biofilm Therapy)とは?最新の予防歯科アプローチ
こんにちは。今日は歯科業界で注目を集めている「GBT(Guided Biofilm Therapy)」についてご紹介したいと思います。
GBTって何?
GBT(Guided Biofilm Therapy)は、スイスのEMS社が提唱した科学的根拠に基づいた新しい予防歯科のプロトコルです。日本語では「誘導バイオフィルム療法」と訳されることもあります。
従来の歯のクリーニングとは異なり、バイオフィルム(歯垢)を可視化し、痛みを最小限に抑えながら効率的に除去することを目的としています。
GBTの8つのステップ
GBTは以下の体系的なプロトコルに従って行われます:
1. 評価と感染管理 患者さんの口腔内の状態を評価し、必要な感染管理対策を行います。
2. バイオフィルムの染め出し 特殊な染色液を使用して、目に見えないバイオフィルムを可視化します。これにより、どこに汚れが付着しているかが一目瞭然になります。
3. 情報提供とモチベーション向上 染め出された状態を患者さんと一緒に確認し、口腔衛生の重要性について説明します。
4. エアフローによるバイオフィルム除去 微細なパウダーと水、空気を使用したエアフロー装置で、歯面や歯周ポケット内のバイオフィルムを優しく除去します。
5. エアフローによる歯周ポケット内の清掃 専用のノズルを使用して、歯周ポケット内部まで丁寧にクリーニングします。
6. 超音波スケーリング 必要に応じて、残存する歯石を超音波スケーラーで除去します。
7. 確認 クリーニング後の状態を確認します。
8. フッ素塗布などの予防処置 最後に歯質強化のためのフッ素塗布などを行います。
従来のクリーニングとの違い
痛みが少ない
従来の歯石除去では金属の器具を使用することが多く、不快感や痛みを伴うことがありました。GBTでは主にエアフローを使用するため、痛みを大幅に軽減できます。
効率的な清掃
バイオフィルムを可視化することで、必要な部分を確実に、かつ効率的にクリーニングできます。
歯面へのダメージが少ない
微細なパウダーを使用するため、歯のエナメル質や詰め物、インプラントなどを傷つけるリスクが低くなります。
科学的根拠に基づいた体系的なアプローチ
経験や勘に頼らず、標準化されたプロトコルに従って施術が行われます。
GBTのメリット
- 快適性: 痛みや不快感が少ない
- 安全性: 歯や修復物を傷つけにくい
- 効果性: バイオフィルムを徹底的に除去
- 予防効果: 虫歯や歯周病の予防に効果的
- 患者教育: 視覚的に理解しやすく、モチベーション向上につながる
まとめ
GBTは、従来の「痛い、怖い」というイメージを払拭する、次世代の予防歯科アプローチです。定期的なGBTの実施により、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らすことができます。
歯科医院によってはまだ導入されていないところもありますが、GBTを取り入れている医院も増えてきています。興味のある方は、かかりつけの歯科医院に問い合わせてみてはいかがでしょうか?

