むし歯菌は親から子へうつりますか?乳児の際に食事で気を付けたほうがいいことはありますか?
2024.03.11
こんにちは、人形町の歯科のトワデンタルクリニック人形町です。
今回は育児中のお母さまやお父さまがたからよくいただく質問についてお答えします。
みなさんこんなことを聞いたことはないでしょうか?
「親がもっている虫歯が同じ食器を使うと食器を介して親から子に虫歯菌がうつる。だから食器は別にすべきだ」
という意見です。
数年前まではこの考え方が主流でしたが、疫学調査が進むうちにちょっと違うことがわかってきました。
令和5年に「乳幼児期における親との食器共有について」が日本口腔衛生学会から発表されたことによると、必ずしも食器の共有だけがむし歯の感染ルートではないので、それだけに注目しても効果は乏しいという結果でした。
乳幼児期における親との食器共有について (日本口腔衛生学会)令和5年8月31日
まとめると、日本口腔衛生学会は、乳幼児期における親との食器共有について、以下の見解を示しています。
- 親から子への口腔細菌の感染は、食器の共有よりも早く始まっている
生後4か月頃には、親の口腔細菌が子どもに伝播していることが確認されています。 - 食器の共有を避けても、口腔細菌の感染を完全に防ぐことはできない
日々のスキンシップを通じて、子どもは親の唾液に接触する機会が多くあります。 - 口腔細菌は、ミュータンスレンサ球菌だけではない
多数の口腔細菌がう蝕の原因となるため、ミュータンスレンサ球菌の感染を予防することだけに注力する必要はありません。 - 食器の共有が子どものう蝕に与える影響は限定的
日本の研究では、3歳児において、親との食器共有とう蝕との関連性は認められていません。
子どものう蝕予防のために
大切なこと
親から子どもに口腔細菌が伝播したとしても、以下の対策を行うことで、子どものう蝕を予防することができます。
- 砂糖の摂取制限:お菓子や甘い飲み物の与えすぎに注意しましょう。
- 歯磨き習慣の徹底:親が毎日仕上げ磨きを行い、歯垢をしっかり除去しましょう。
- フッ化物の活用:フッ化物配合歯磨剤の使用やフッ化物洗口など、フッ化物を効果的に活用しましょう。
まとめ
食器の共有を避けることは、子どものう蝕予防に必ずしも効果的ではありません。大切なのは、歯磨き習慣の徹底、砂糖の摂取制限、フッ化物の活用など、総合的な口腔ケアを実践することです。
お母さんお父さんの虫歯治療をきちんとしておくことも子どもの虫歯予防に大切なことです。
ぜひご家族で検診にいらしてください。
トワデンタルクリニック人形町
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