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周術期における口腔ケアについて

予防歯科・クリーニング  / 歯科口腔外科

周術期口腔ケアとは?

周術期とは、手術の前後(術前・術中・術後)の期間を指します。この期間に行われる口腔ケアは、手術を安全に進めるため、また術後の回復を促進するための医療行為です。主に以下の目的があります:

  • 感染予防
    口腔内の細菌が全身へ広がるのを防ぐ。
  • 術後合併症のリスク低減
    肺炎や敗血症などの発症を抑える。
  • 全身状態の安定化
    口腔内の健康を保つことで免疫力を維持する。

口腔ケアが重要な理由

1.手術部位感染(SSI)の
リスク低減

口腔内には数百種類以上の細菌が存在しますが、不適切な口腔ケアにより歯周病菌や他の病原菌が増殖し、手術部位感染の原因となる場合があります。特に、心臓や消化器系の手術では、血液を介した細菌の移行が重大なリスクを引き起こします。

2.術後肺炎の予防

口腔内に残ったプラークや細菌が術後に気道へ侵入することで、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。高齢者や長時間の麻酔下での手術ではこのリスクがさらに高まります。

3.術後の回復促進

健康な口腔環境は、栄養摂取や免疫機能に影響を与えます。術後に適切に食事を摂れる状態を維持するためにも、口腔ケアは不可欠です。

4.全身疾患への影響

口腔内の細菌が血液中に侵入(菌血症)すると、糖尿病の悪化や心内膜炎の発症リスクが高まります。特に基礎疾患を抱える患者においては、これらのリスクを最小限に抑える必要があります。

歯科衛生士としての役割

歯科衛生士は、周術期口腔ケアにおいて次のような重要な役割を果たします。

  1. 術前スクリーニング
    手術に影響を及ぼす口腔内の問題を発見し、適切に対応する。
  2. 口腔衛生指導
    患者が自分で行うケアの質を向上させるための指導。
  3. 術後フォローアップ
    術後の回復を促進するため、継続的なケアを提供。

周術期口腔ケアの効果を示す
データ

研究によると、術前にプロフェッショナルな口腔ケアを行うことで、術後肺炎の発症率が50%以上減少したとの報告があります。また、医療費の削減や入院期間の短縮にもつながるとされています。

周術期口腔ケアは、患者の全身健康と手術の成功率を高めるために欠かせない医療行為です。口腔ケアを徹底することで、患者の術後の生活の質(QOL)も向上します。

当院では、周術期の患者さんに以下のようなサポートを行っています。

術前の口腔ケア

  • 歯周病や虫歯のチェックと治療
  • 歯垢・歯石の除去(スケーリング)
  • ブラッシングや洗口液の正しい使い方の指導

手術前にお口の中を清潔に保つことで、術中・術後の合併症リスクを大幅に減らすことができます。

術後のケア

  • 柔らかいブラシやガーゼを使ったお口の清掃
  • 乾燥しやすいお口の保湿ケア
  • 術後の回復状況に応じたケアプランの提供

まとめ

トワデンタルクリニック人形町では、周術期の患者さんを全力でサポートいたします。
術前・術後の不安を少しでも軽減し、手術が安心して受けられるよう、ぜひ一度当院にご相談ください。

お口の健康を整え、手術の成功と回復をサポートすることは、私たち歯科医療従事者の使命です。