根管治療で器具が残った場合、除去は必要?
根管治療(歯の神経の治療)を受けた後、「器具が根管内に残っている」と説明されて驚かれた方もいるかもしれません。
「痛みがないから大丈夫?」と思う方が多いですが、実は放置しても問題ない場合と、早期に対処した方が良い場合があります。
今回は、器具が残った際の対応やリスク、最新のマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使った除去方法について詳しく解説します。
なぜ根管治療中に器具が
残ってしまうのか?
根管治療では、感染した歯の神経や組織を取り除き、根管内部を清掃・消毒して充填します。その過程で使用するファイル(ステンレスやニッケルチタン製の細い器具)が根管内で折れてしまい、取り残されることがあります。
主な原因
- 根管の湾曲が強い場合
根管が大きく湾曲していると、器具が強い力に耐えられず折れてしまうことがあります。 - 歯質がもろい場合
すでに感染が進行していたり、加齢によって歯質が弱くなっていると、器具が破折しやすくなります。 - 使用中の過負荷
ファイルを繰り返し使用していると、疲労により折れやすくなることがあります。
痛みがない場合、そのままで
問題ないケースもある?
器具が根管内に残ったとしても、必ずしも除去が必要というわけではありません。以下のようなケースでは、そのまま様子を見ることも選択肢となります。
そのままで問題ない場合
- 器具が完全に根管内に封じ込められ、感染のリスクがない
- 治療後に根管が適切に封鎖され、再感染の兆候がない
- レントゲンやCTで経過観察し、長期間にわたり問題が起きていない場合
このようなケースでは、器具の除去よりも周囲の組織を傷つけないことが優先されます。
除去を検討すべきケース
一方で、以下のような場合は、器具の除去や再治療を検討する必要があります。
- 感染リスクが高い場合
器具が根管の未清掃部分に残っていると、感染の温床になる可能性があります。 - 痛みや腫れなどの症状が出た場合
治療後しばらくしてから痛みや腫れが生じた場合、残存器具が原因の可能性があります。 - 根尖病変が見られる場合
レントゲンやCTで根の先端(根尖部)に黒い影(病変)が確認された場合、除去が必要です。
マイクロスコープによる
精密な器具除去
折れた器具の除去には、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)の使用が非常に有効です。従来の肉眼や拡大鏡では見えにくい細かい部分も、マイクロスコープを使えば数倍〜数十倍の拡大視野で確認できるため、精密かつ安全に器具の除去が可能です。
マイクロスコープのメリット
-
高倍率で視野を確保できる
根管内の細かい構造や折れた器具の位置を正確に把握できます。 -
歯へのダメージを最小限に抑えられる
精密に操作することで、健康な歯質を傷つけずに器具を除去できます。 -
成功率の向上
感染の再発リスクを抑えながら、より安全で確実な治療が可能になります。
除去が難しい場合の対応
器具が根の奥深くで折れていたり、除去が困難な場合は、次のような方法を検討します。
バイパス治療
(バイパスアプローチ)
折れた器具の周囲を避けながら、根管内を適切に清掃・封鎖する方法です。外科的根管治療
(歯根端切除術)
根尖部(根の先端)に問題がある場合、外科的に根尖部分を切除し、感染部分を除去します。放置するとどうなる?
リスクの可能性
器具を放置した場合、以下のようなリスクが考えられます。
根尖性歯周炎(根の先の炎症)
根尖部で感染が広がると、根の周囲の骨が溶けて膿が溜まることがあります。
再感染と腫れの発生
感染が再発すると、強い痛みや腫れが起こり、場合によっては再治療が必要です。
抜歯のリスク
炎症が進行して歯の保存が難しくなると、抜歯が必要になる場合があります。
除去する・しないの
判断基準
器具が残った場合の対応は、患者さんの症状・根管の状態・感染リスクの有無によって判断されます。
判断基準のポイント
- 症状の有無(痛み・腫れなど)
- レントゲンやCTによる経過観察結果
- 感染リスクの有無
まとめ:不安を感じたら
早めに相談を!
根管治療後に器具が残っている場合、痛みがなくても定期的なチェックが重要です。**「トワデンタルクリニック人形町」**では、最新のマイクロスコープを使用して、細部まで確認しながら適切な治療を行っています。
- 痛みや違和感がある場合
- 再感染が心配な場合
- 治療後の経過が気になる場合
ぜひ、早めに当院までご相談ください。安心して治療を受けていただけるよう、丁寧にサポートいたします。
トワデンタルクリニック人形町で、あなたの大切な歯を守りましょう!