TOPへ

ブログ

口唇口蓋裂とは?

小児歯科

口唇口蓋裂とは?

こんにちは、人形町の歯医者のトワデンタルクリニック人形町です。口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)は、口唇口蓋裂は、日本人では500~600人に1人の割合で発生する先天的な口の病気で、顔面に発生する先天異常の中でも最も頻度が高い疾患です。出生時に見られる先天性の疾患で、上唇や口蓋(口の中の天井部分)が完全に形成されずに生まれることを指します。この病気は、胎児の顔面が形成される妊娠初期に起こる発育の異常が原因です。口唇口蓋裂は、単独で口唇だけに裂け目が生じるもの(口唇裂)、口蓋だけに裂け目があるもの(口蓋裂)、およびその両方を含むものがあります。

口唇口蓋裂の原因

口唇口蓋裂の明確な原因は特定されていませんが、遺伝的要因と環境要因の両方が影響すると考えられています。例えば、家族に同様の疾患がある場合、そのリスクは高まる傾向にあります。また、妊娠中の栄養不足、喫煙、飲酒、特定の薬剤の服用などもリスク要因とされています。

症状と影響

口唇口蓋裂を持つ子どもは、摂食、言語発達、聴覚、歯の発育などに様々な影響を受けることがあります。口蓋裂の場合、哺乳や飲み込みの際に食べ物や液体が鼻腔に流れ込むことがあり、これにより栄養摂取が困難となる場合もあります。また、口腔と鼻腔の間に裂け目があることで、発音に影響を与え、言語障害を引き起こすこともあります。

治療法

口唇口蓋裂の治療は多面的なアプローチを必要とし、外科手術、言語療法、歯科治療などが組み合わされます。治療は通常、生後数ヶ月から開始され、成長過程に応じて段階的に進められます。

1.外科手術

手術は口唇口蓋裂の治療において最も重要な治療法です。口唇裂の場合、生後3〜6ヶ月頃に初回の手術が行われることが一般的です。口蓋裂に対しては、発語が始まる前、1歳から1歳半までに口蓋形成手術が行われることが多いです。この手術では、裂け目を縫合し、口蓋の機能を正常に回復させます。

2.言語療法

術後も言語発達に影響が残る場合があります。そのため、適切な時期に言語療法を受けることで、発音や言語能力の向上を図ります。専門の言語聴覚士が、個々の子どもに合わせたリハビリプログラムを提供します。

3.歯科治療・矯正

口唇口蓋裂は、歯の発育にも影響を及ぼします。裂け目の位置によっては、歯の萌出や位置が不揃いになることがあります。そのため、歯科矯正治療が必要となる場合があります。これにより、歯列の整合性を保ち、正しい噛み合わせを実現します。

4.その他のサポート

聴覚に問題がある場合、補聴器や中耳炎の治療が必要となることもあります。また、心理的なサポートも重要です。家族や医療チームが連携して、子どもが安心して成長できる環境を整えることが求められます。

まとめ

口唇口蓋裂は、子どもとその家族にとって多くの課題を伴いますが、早期診断と適切な治療により、健康的な成長と発達が可能です。医療チームの専門家が協力し、外科手術、言語療法、歯科治療、心理的支援を通じて、子どもの生活の質を高めることが目指されています。